昨日は片倉町から宮田町まで往復で歩き、
夕方三枚町から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1860年生まれのグスタフ・マーラーの作品。
生誕150年となることもあり、マーラーの作品をとりあげていきたい。
ただし、とりあげるCDはオススメの名盤というわけではない。
いろいろな指揮者の盤をとりあげてみようと思う。
彼の略歴については有名な作曲家なので省略する。
交響曲第4番ト長調は1899年から1900年にかけて作曲された。
今回聴いたCDは、フレデリカ・フォン・シュターデのソプラノ、
クラウディオ・アバド指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1楽章「落ち着いて」は、ソナタ形式で書かれている。
冒頭は鈴の音とフルートによって始まり、
ヴァイオリンが甘美な第一主題を奏し、
それに対して歌うように朗々とチェロが第二主題を奏す。
この提示部のところを聴いただけでもアバド盤は素晴らしい。
ウィーン・フィルの弦楽器の音もとてもチャーミングであるし、
天上の世界を思わせるようなこの盤は個人的に気に入っている。
展開部はドラマティックな盛り上がり、
再現部は第二主題から始まり、続いて第一主題が奏され、
最後はテンポをあげて最後華々しく終わるのだが、
このあたりの曲の進め方についてアバド盤は申し分ない。
第2楽章「気楽な動きで、急がずに」は、スケルツォ楽章である。
「友ハイン(死神の別名)は演奏する」と書かれたことがあるように、
独奏ヴァイオリンが奏でる旋律は不気味な感じである。
軽快なテンポで明るく進むのだが、常に影を伴う音楽である。
第3楽章「静かに」は、変奏曲の形式をとった楽章。
ゆっくりと始まるこの曲に登場する二つの主題は美しく、
歌うような旋律は夢の世界を思わせるものであるが、
アバド盤の素晴らしいのは、もちろん各楽器の響かせ方もあるが、
最後のクライマックスの築き方である。
昔FMラジオで聴いた時の感動は忘れられないが、
それを裏切らないようにCDの演奏も同じく素晴らしい。
第4楽章「非常にのんびりと」は、歌曲付きの楽章となる。
フレデリカ・フォン・シュターデのソプラノも悪くない。
テンポが速まったり、ゆったりとなったりを繰り返し、
ドラマティックな展開のある楽章である。
ゆったりとしたテンポの中、「地上にはこの天上の音楽と
比較できるようなものはない」という内容の歌詞を歌って、
ハープとイングリッシュホルンが残り、
最後はコントラバスだけが残り静かに終わる。
アバド指揮によるウィーン・フィルの演奏は期待を裏切らない。
聴いていると夢見心地になり、この音楽に浸れるのである。