昨日はウォーキングを休みました。
今回取り上げるのはグスタフ・マーラーの作品で、
1903年から1904年にかけて作曲された交響曲第6番イ短調である。
今回聴いたCDは、ジョルジュ・プレートル指揮、
ウィーン交響楽団の演奏による。
1991年10月10日に行われたコンサートのライブ録音のものである。
第1楽章アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロッポは、
低弦の重々しい行進曲風のリズムで始まる短い序奏に続き、
暗い感じの第一主題がヴァイオリンにより奏される。
対照的な第二主題は情熱的でロマンティックな旋律である。
この提示部のプレートルの指揮は、きびきびとした演奏で、
なかなかいい軽快なテンポで、スコア通りの反復が行われる。
展開部は第一主題の変形による展開から始まり、第二主題も展開される。
ライブ盤らしい情熱的な演奏で、時々テンポが揺れるところもあるが、
気迫のこもった緊張感のある演奏で、聴き応えがある。
再現部から最後のコーダまで金管楽器中心に盛り上がり、
速いテンポで一気に聴かせていくところの演奏もいい。
第2楽章スケルツォも速いテンポで低弦とティンパニがリズムを刻む。
不気味でグロテスクな主題が奏されていくのだがあっさりとした演奏である。
トリオはかわいらしい感じの主題が流れるのだが、
テンポが揺れて自由に歩き回る子どもの様子が描写される。
トリオが終わると再び最初の主題が現れるが、この辺のテンポは遅いが、
徐々にテンポをあげていくところはなかなかいい。
テンポの緩急を繰り返しながらトリオの主題とも絡み合うところは、
ややテンポを揺らしすぎかなとも思うが、
そこはプレートルらしいところかもしれない。
最後は低弦と木管とティンパニが残り、静かに終わる。
第3楽章アンダンテ・モデラートは三部形式の楽章で、
ヴァイオリンが甘美な主題を奏でて始まる。
そのあと現れるイングリッシュ・ホルンが奏でる悲しげな旋律、
ホルンが奏でる牧歌風の旋律などを中心に曲は展開されていく。
第4楽章終曲は、序奏とソナタ形式の主部からなる。
チェレスタとハープによる分散和音に乗って、
ヴァイオリンが序奏の中心となる旋律を奏でていく。
金管楽器が加わり色彩豊かとなり、やがて主部に入る
このあたりもテンポの緩急の変化の幅は大きく感じる。
これに応えているウィーン交響楽団の演奏も素晴らしい。
第一主題と力強い第二主題が提示され、
これら主題をもとに展開部に入るが、
その中でハンマーを叩く音が何度か現れる。
ここでも自由自在にテンポを変えていくところがプレートルらしい。
曲は再現部を省略し、コーダに入っていく。
悲劇的に重々しく叩くティンパニと管楽器が鳴り響き、
最後は弦のピッチカートで弱々しく終わる。