昨日は上星川駅から片倉町まで歩きました。
途中聴いたのは、1709年生まれのベンダの作品。
ボヘミア生まれの彼は、ヴァイオリニストとして活躍し、
1730年代以降はドイツを中心に活躍するので、
ここではドイツの作曲家としてとりあげておく。
フリードリヒ大王の楽団に仕えたようで、
1771年以降はコンサートマスターになっている。
フルート協奏曲ホ短調の作曲年代の詳細は不明である。
今回聴いたCDはアドリアンのフルート、ムンクリンガーの指揮、
プラハ・アルス・レディヴィヴァ・アンサンブルによる。
第一楽章アレグロ・コン・ブリオは、
感傷的で激しい短調の弦楽器・チェンバロ中心の音楽に始まり、
哀愁漂うような独奏フルートの旋律が入る。
フルートの奏でる旋律は、宮廷的な華やかさと気品を持ち、
クヴァンツの影響がはっきりとみることができるようだ。
ヴァイオリニストでありながら、フルート好きの
フリードリヒ大王に仕えた彼らしい作品である。
カデンツァは主題を中心に、見事なテクニックも見せながら、
流れるような素晴らしい演奏を聴かせてくれる。
それが終わると弦楽器中心に冒頭のように
駆け抜けていくような激しい短調の音楽を聴かせて終わる。
第二楽章ウン・ポコ・アンダンテは、弦楽器中心にゆったり始まり、
独奏フルートが加わり、歌うような旋律を奏でる。
バロック的な様式を保ちながら、叙情的な部分もみせていく。
ここでもカデンツァでは美しいフルートの音色をたっぷりと聴かせ、
そのあとは弦楽器中心の演奏で終わる。
第三楽章プレストは、感傷的で軽快に弦楽器中心に音楽が奏され、
独奏フルートも入り、華やかさが加えられていく。
軽やかなフルートの響きと弦楽器・チェンバロとの競演が魅力的である。