今年はどんな年にしたいかと聞かれるとしたら、
少しでも本が読めるような時間を作りたいと答えるだろう。
昨年購入したカルテンシュタドラーの本もまだ読んでいるわけではない。
何とか時間を作って本を読んで行きたいものである。
昨日はウォーキングを休みました。
今回とりあげるのは交響曲第3番変ホ長調「英雄」作品55。
1803年から1804年にかけて作曲されたこの作品を
カール・シューリヒト指揮、フランス国立管弦楽団の演奏で聴いた。
シューリヒトの交響曲第3番にはいろいろあり、
ウィーン・フィルやベルリン・フィルを指揮したものや、
シュトゥットガルト放送交響楽団を指揮したものなどいろいろあるが、
今回は1963年5月14日に録音されたライヴ録音をとりあげたい。
それはEMIのスタジオ録音のものとは違い、ステレオ録音である。
しかし、音質はライヴ録音なので当然よいものではないが、
そのうち聴きやすい方のCDで聴いてみた。
今回も曲の解説ではなく、CDを聴いた感想を述べたい。
第一楽章は、比較的軽快なテンポで始まる。
提示部での主題はあっさりとした感じで、自然な流れである。
提示部は反復せず展開部に入り、主題は変形されていく。
しかし、ドラマティックな展開も情熱的になりすぎず抑制されている。
再現部に入ってからもその演奏のスタイルは変わらない。
均整のとれた演奏で、最後も力強く堂々と終わる。
第二楽章も比較的速い演奏で、あっさりした感じであるが、
ドラマティックな展開の盛り上がっていくところはいい。
第三楽章のスケルツォはややゆっくりめであるが力強い演奏である。
中間部のトリオは速いテンポで即興的なホルンの吹奏がいい。
第四楽章も自然な感じの流れるテンポで進んでいく。
コーダ以降の堂々とした感じの迫力ある演奏が特に印象的である。
シューリヒトのベートーヴェンの交響曲が、
ステレオ録音で残されているだけでもいいのだが、
演奏もなかなかよく、貴重な録音であることは確かだ。