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アントン・ブルックナーの交響曲第3番ニ短調WAB103(1879年第3稿、ノーヴァク版)を聴く

今回取り上げるのは1824年生まれのブルックナーが、
1879年に作曲した交響曲第3番ニ短調WAB103で、
第3稿にあたるものでノーヴァク版を使用している。
今回聴いたCDはクラウス・テンシュテット指揮、
バイエルン放送交響楽団の1976年のライブ演奏によるもの。
ここも各楽章を聴いた感想を述べていく。
第一楽章神秘的には、弦楽器による神秘的なさざ波のような音型に乗り、
第一主題がトランペットにより奏でられるのだが、
この盛り上がり方と速くなっていくところやダイナミックさは、
テンシュテットらしい強烈な個性を感じさせる演奏である。
第二主題は弦楽器で奏されるのどかな感じの旋律だが、
グイグイとものすごい推進力をもって進めていく。
第三主題は管楽器によるコラール風の旋律である。
ここも力強くダイナミックであり、金管楽器群が鳴り響き、
よくまあ、テンシュテットの指揮についていっている感じである。
強力な推進力をもって、オーケストラを引っ張っていきながら、
金管楽器を鳴らし、テンポを自由自在に操っていくところ、
まさにこれはテンシュテットブルックナーである。
しかし、だからといってなぜかブルックナーの音楽を壊してはいない。
最後のコーダの一気に盛り上がって終わるところも圧巻である。

第二楽章アダージョ、クワジ・アンダンテは、
冒頭弦楽器が奏でる重々しくも甘美な旋律を、
やはり流れるようにテンポよく進めていく。
第三楽章スケルツォは、かなり速いテンポで進めていき、
荒々しく狂乱的な感じを思わせる演奏であり、
中間部も含め、あっという間に終わる感じである。
第四楽章アレグロも、最初から速いテンポで進め、
ダイナミックで力強く推進力のある演奏である。
金管楽器によって奏される力強く第一主題、
コラール風の第二主題、ユニゾンで示される第三主題、
それぞれが速く奏でられ、そっけない演奏かと思えば、
そうではなく心がこもっており、聴き手を飽きさせない。
中間のホルンの吹奏とフルートが奏でる部分は、
ゆったりして、その対照的なところがよい。
うまくオーケストラが統率されているなあと思う。
最後のところの盛り上がりも素晴らしく、爽快感がある。