昨日は二俣川から緑園都市駅まで歩きました。
途中聴いたのは1879年生まれのアイアランドの作品。
アイアランドはピアニストだったこともあってか、
ピアノ曲が多いようだが、ロンドンのHMVに寄った時、
そのピアノ曲集が3ポンドで売っていたので買ってみた。
聴いてみると、イギリス風というよりは、印象主義的な作風で、
ドビュッシーなどのピアノ曲を聴いているようでもある。
今回はメリー・アンドリュー、引き船路、ラプソディ、
2つの小品、デコレーションの5つを中心に聴いたので、
これらの曲についてCDの解説書をもとに触れてみる。
メリー・アンドリューは、1918年に作曲された作品。
おどけたような曲はドビュッシーやサティを思わせる。
短い曲ではあるが、華やかさはフランス的である。
引き船路も1918年に作曲されており、ロマンティックな曲だ。
夕暮れの中、おだやかな波に揺れ動く船を想像させる曲である。
ラプソディは、1915年に作曲された作品で、
最初のリズミカルな音の動きと、流れるような旋律が印象的だ。
これもロマンティックなムードの漂う一方、華やかさのある曲だ。
「4月」、「ベルガマスク」の2曲からなる小品(2つの小品)は、
1925年に出版されているが、「4月」はドビュッシー風の曲で、
幻想的で詩的な音楽であり、一部サティ風の部分もみられる。
「ベルガマスク」は当時チェルシーでアンティーク商を営んでいた
人物の息子で、少年成果隊員の一人であったアーサー・ミラーの
1925年2月22日の誕生日のために作曲されている。
リズミカルで軽快な舞踏風の曲であり、華やかな曲である。
デコレーションは1915年に出版された3つの曲からなる作品である。
第1曲は「島の魅力」という意味だろうか。
彼は1912年8月の時期に訪れたチャネル諸島にある
ジャージー島でこの曲の作曲にとりかかったようだ。
きらめくようなピアノの音が印象的で、幻想的である。
第2曲は「月がさす森の空き地」という意味か。
1865年生まれのイギリス詩人アーサー・シモンズの詩に、
曲は由来しているらしく、詩的な雰囲気の曲である。
第3曲は「緋色の祭典」という意味だろうか。
軽快な感じで始まり、リズミックな音楽である。
1863年生まれのイギリスの小説家アーサー・マッケンの、
「魂の家(The House of Souls)」という作品からの複数行が、
曲の最初に置かれているようである。
これらの作品はイギリス文学者たちの作品を扱っているのだが、
その幻想的な世界を表現するにふさわしい音楽といったときに、
彼が使ったのは印象主義派的な音楽であったということだろうか。