ソルといえば、クラシック・ギターを弾く人は、
必ず一度は耳にしたことのある人物であろう。
高校時代、友人からクラシック・ギターを教わった私も、
ソルの練習曲を一時期毎日練習し、
友人のようにうまくなりたいものだと思ったこともある。
フェルナンド・ソルは1778年バルセロナで生まれた。
裕福な家庭に生まれ、最初は軍人になることを志していたが、
そのうちイタリア・オペラの世界に魅了され、
音楽家になることを目指すようになったらしい。
しかし、父親が亡くなると経済的余裕がなくなったようだ。
ナポレオン支配下のスペインで、政府の管理職のポストに就いたが、
スペインのナポレオンへの抵抗運動が続く中、
政治的理由からフランスに亡命し、二度と祖国に戻ることはなかった。
オペラ作品やバレエ曲なども残しているようだが、
彼自身もギター奏者としてフランスで活躍していたこともあり、
何といっても彼の作品の多くはギター曲にある。
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは、ソルの「魔笛」の主題による変奏曲。
作品9の番号がついているが、作曲された年代は不詳である。
セゴビアの弾くギターは、1927年の古い録音であるが、
有名なモーツアルトの「魔笛」の主題をもとにした
五つの変奏の演奏は、甘美な感じで、聴いていて心地よい。
ここで聴くセゴビアのギター演奏の技術はなかなかだ。
もう一つ聴いたブリームによる幻想曲とメヌエットは、
作品7の幻想曲の前半のラルゴの部分と、
作品25の第2グランド・ソナタの終楽章を
あわせて続けて演奏した10分足らずの曲である。
前半の幻想曲の部分は、ハ短調であり、
物悲しい感じであるが、後半のメヌエットはハ長調で、
かわいらしく、快活な感じで前半とは対照的である。
幻想曲自体が前半ハ短調で、後半ハ長調の曲なので、
聴いていて違和感なく聴こえるところがおもしろい。
ブリームの演奏も、味わい深くていい。