今回取り上げるのは1685年に生まれたバッハが、
1730年以後に作曲したフルート、ヴァイオリンと
チェンバロのための三重協奏曲イ短調BWV1044である。
今回聴いたCDはマリーケ・シュネーマンのフルート、
リズ・ペリーのヴァイオリン、メンノ・ヴァン・デルフトのチェンバロ、
ネザーランド・バッハ・アンサンブルの演奏である。
第一楽章アレグロは、弦楽器による前奏のあと、
フルート、ヴァイオリンとチェンバロが入る。
独奏楽器同士が掛け合い、絡みあっていく展開部がいい。
再び最初の主題が繰り返され、最後は穏やかに終わる。
第二楽章アダージョは、フルート、ヴァイオリンと
チェンバロの独奏楽器を中心に主題が奏でられ、
弦楽器はそれを支えていく優雅な感じの楽章である。
第三楽章アラ・ブレーヴェは、三つの独奏楽器が、
それぞれ活躍しながら競演を続け、
チェンバロの独奏部分が続いた後、
全体の合奏となり、最後穏やかに終わる。