昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのはオルフの「ムジカ・ポエティカ(Musica Poetica)」。
1950年から1954年の間に出版された教育作品(Schulwerk)である。
つまりは、学校にあるリコーダーや木琴や太鼓などの楽器で、
演奏可能な子どもたちのための音楽である。
助手のグニルト・キートマンの協力を得て、
35歳頃に作った教育音楽を全面的に改定しまとめたものである。
高校生のことだったか、大学生のことだったか忘れたが、
この作品のレコードをレコード店に見かけた時に、
相当な枚数のシリーズで売っていたので、買うのにためらった。
CDの時代になり、ある時このCDを見かけた時は、
6枚組で売っていたので、すかさず買ってしまった。
教育音楽というのがどういうものかを知りたかったからである。
聴いたのはその6枚の中の3枚目のCDである。
それぞれの作品は短い曲ばかりである。
しかし、ここにはオルフの音楽のエッセンスがつまっている。
器楽曲だけでなく、歌と合奏をあわせたものなど形態は様々、
どれもこれも楽しみながら演奏できる曲ばかりである。
リズム楽器はここでも重要な役割を果たしている。
中国風の曲もあれば、バリのガムラン音楽風のものもある。
11曲目の「真実の歌(Wahrheitslied)」は、
「子どもの不思議な角笛」の詩を歌のテキストにしている。
4曲目は2つの即興演奏とともに、中世音楽として、
ナイハルト・フォン・ロイエンタールの
五月への賛歌を内容とする詩を使った曲も入っている。
ロイエンタールは代表的なミンネジンガーの一人である。
聴けば、ミンネジンガーの音楽にも触れることができる。
教育音楽とはいっても格調高かったりするが、
そんなことを感じさせない楽しい音楽なのである。