昨日はカーサ・クラシカの昼のライブに行った。
ウォーキングについては、お休みしました。
今日からはホルストの作品をいくつか紹介していきたい。
ホルストというと組曲「惑星」があまりにも有名なのだが、
他の作品を録音したCDはあまりレコード店では見かけない。
今日とりあげるフルートとオーボエのために書かれた
フーガ風協奏曲作品40-2もその一つである。
今回はホルストの娘イモージェンが、
イギリス室内管弦楽団を指揮したCDで、
リリタ(Lyrita)のレーベルのものを紹介したい。
この作品自体は演奏時間8分くらいの小品であるが、
簡素で愛らしい魅力ある作品である。
フルートはウィリアム・ベネットが吹いており、
彼の演奏がこの曲にとてもあっているのでお薦めである。
第一曲のモデラートは弦楽器が奏する親しみやすい主題を
オーボエが引継ぎ、それをフルートがさらに引継ぎ、
弦楽器とオーボエとフルートのかけあいにより、
曲は展開される新古典主義的な簡素な曲である。
第二曲のアダージョはフルートが主題を吹いて始まる。
オーボエがそれを引き継いで曲は展開していく。
ベネットのフルートの演奏が素晴らしいし、
それに応えるオーボエの演奏も美しい。
叙情的な曲であり、曲は切れ目なく第三曲に入る。
第三曲のアレグロでは最初に弦楽器の中で主題が
フーガ風的に扱い、続いてその主題をオーボエ、フルートが
引継ぎながらフーガ風に曲が展開していく。
そのうち民謡風のもう一つの主題がフルートに現れるが、
これは17世紀の舞踏曲の旋律らしく、
‘If all the world were paper’曲の旋律らしい。
それら二つの主題を使用し、弦楽器とフルートとオーボエが
フーガ風な展開をして、最後はあっさり終わる。
イモージェン・ホルストが書いたCDの解説文によると、
この曲が作曲された1923年はホルストが以前好んでいた
対位法に復帰した年で、「新古典主義」ということばが、
当時のヨーロッパの音楽評論家の中で使われ始めた年でもあった。
本人は「バッハに帰れ」と呼ばれる運動を耳にしていなかったが、
それに先駆けてこのような新古典主義的な作品を書いたようだ。
ホルストの作品も「惑星」だけではなく、隠れた名曲が多い。
次回は五重奏曲イ短調を取りあげようと思います。