昨日は星川駅から横浜まで歩きました。
途中聴いたのは、1786年生まれのウェーバーの作品。
ウェーバーのピアノ作品は今まで聴いたことはなかったが、
これを機会にと思い、1816年に作曲されたピアノ作品、
ピアノ・ソナタ第2番変イ長調作品39を聴いてみた。
この時期ウェーバーはプラハ歌劇場の指揮者を務めており、
その歌劇場の専属歌手カロリーネ・ブラントと恋愛中にあったようで、
そのせいか、ロマン主義的な色彩が濃くなっているように思える。
明らかにベートーヴェンの時代のピアノ音楽とは違い、
一層ロマン主義的で、ショパンなどのピアノ音楽に
近い印象を持つような音楽であるというのが聴いた感想である。
第一楽章はソナタ形式で書かれ、アレグロ・モデラート・
コン・スピーリト・エド・アッサイ・レガートである。
即興曲風に始まる変イ長調のロマンティックな旋律は、
彼の歌劇の序曲などの音楽を思わせたりもする。
ピアニストとしても活動していた彼らしく、
ヴィルトゥオーソ的な部分も感じさせ、
曲は情熱的な盛り上がり、劇的な展開を見せていく。
第ニ楽章アンダンテは、ロンド形式による楽章である。
ハ短調のやや寂しげに、行進曲風な足どりで始まる音楽は、
様式的にはベートーヴェンのピアノ音楽との近さを感じさせ、
音楽的にはショパンのピアノ音楽への近さを感じさせる。
第三楽章プレスト・アッサイは、変イ長調で書かれ、
「メヌエット・カプリチオーソ」の副題を持つが、
軽快で華やかなこの三部形式による楽章は、
どちらかというとスケルツォ風である。
第四楽章ロンド、モデラート・エ・モルト・グラツィオーソは、
軽やかで流れるような変イ長調の旋律による主題から始まり、
ロマンティックな雰囲気に満ちた音楽である。
しかし、曲の展開は歌劇を思わせるような感じである。
ピアノ曲を聴いているにもかかわらず、
ウェーバーの作品を聴いていると歌劇との関連を
抜きにして考えられない感じがするのである