昨日は、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1872年生まれのスクリャービンの作品。
彼の略歴については交響曲編で触れたので省略する。
ピアノ協奏曲嬰へ短調作品20は、1896年に作曲された。
彼が作り上げた協奏曲というとこのピアノ協奏曲しかない。
初期の作品ということもあってロマンティックな作品である。
今回のCDはウラディーミル・アシュケナージのピアノ、
ロリン・マゼール指揮のロンドン交響楽団によるものである
第一楽章アレグロは、ホルンから始まる短い序奏に続き、
独奏ピアノが何ともロマンティクな旋律を奏でる。
ショパン風のピアノタッチで、幻想曲風に、
そして繊細で叙情的な旋律が展開されていく。
オーケストラに見られるロマンティックな音楽は、
ラフマニノフを思わせるようで、ロシア的である。
最後はオーケストラ全体で悲劇的な感じで終わる。
第二楽章アンダンテは、変奏曲形式に基づいている。
ゆったりとオーケストラが叙情的な旋律を奏でて始まる。
それに絡み合うように独奏ピアノが入り、
甘美で繊細な旋律を奏でていく。
主題に基づく四つの変奏と主題の再現から構成され、
その変奏の部分は独奏ピアノの腕の見せどころとなっている。
アシュケナージのピアノも繊細で美しい音を聴かせてくれる。
第三楽章アレグロ・モデラートは、いきいきした、
しかし力強さも見せてくれるフィナーレ楽章で、
ところどころで叙情的な部分も見せてくれる。
この曲がスクリャービンの初期の作品であることは、
後期の作品ばかりが印象に残っているとわからない。
でも若き日の彼の姿がこの音楽にこめられていることは確かだ。
激しい感情の高ぶりや、いきいきした躍動感、繊細なところや、
情緒的な部分などをこの音楽から垣間見ることができる。
最後は情熱的に盛り上がり、華やかに終わる。
なお、今回とりあげた協奏曲ロシア・ウクライナ(旧ソ連)編の
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/concerto-music-cd-rusia.html
参考にしていただければ幸いです。