今回取り上げるのは1791年生まれのツェルニーが、
作曲した交響曲第1番ハ短調作品780である。
作曲年は不詳であるが、1847年に出版したようである。
カール・ツェルニーはオーストリアでピアノ教師として活躍し、
数多くのピアノ練習曲を残したことで有名である。
ベートーヴェンやフンメルなどに師事したようである。
交響曲を6曲作曲していることは知らなかった。
聴いたCDの演奏はニコス・アティネオス指揮、
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団のものである。
第一楽章アレグロは、激しい感情がほとばしるように
弦楽器中心に力強く暗い主題で始まり、
その主題はクラリネットに引き継がれていく。
そして他の楽器に引き継がれ盛り上がりもみせていくが、
そこにはベートーヴェンの影響が感じられ、
なかなか聴いていて聴きごたえはある感じである。
もう一つの主題は対照的な穏やかで明るい旋律である。
提示部は主題が繰り返され、そのあと展開部に入り、
各主題が展開されていくが、何しろ50代の頃の作品である。
だからといっていいか、円熟した作曲技法を感じる。
再現部に入り、各主題が繰り返され盛り上がり、
メンデルスゾーンのような部分も見せながら、最後力強く終わる。
第二楽章アンダンテ・ソステヌートは、
弦楽器と木管楽器で穏やかで平和な感じの旋律を奏でて始まる。
ティンパニが叩かれ荒々しい部分や、盛り上がる部分もあるが、
全体的には穏やかさと牧歌的な明るさが支配するが、最後は力強く終わる。
第三楽章スケルツォは、力強く情熱的な主題が奏でられるが、
何となくメンデルスゾーンを思わせるところがある。
中間部は牧歌的な感じで、再び冒頭の主題が現れる。
華やかさがあり、とてもロマンティックであり、最後は力強く終わる。
第四楽章フィナーレは、やや悲しげな感じの主題で始まる。
金管楽器も加わり激しくなり、これまた情熱的である。
もう一つの主題は対照的にのどかな旋律で木管楽器が活躍する。
最初の主題が中心となって音楽は進行していく。
金管楽器が鳴り響き盛り上がりをみせるところがいい。
最後は、ティンパニが鳴り響く中、力強く終わる。
あのピアノ練習曲作曲家だと思って聞いてみると意外なところが多い。
とても情熱的で、魅力のある交響曲であり、知られていないのが残念だ。
なかなかあなどれない作曲家であり、この交響曲はなかなかいい。
ベートーヴェンやメンデルスゾーンが好きであれば気に入るかもしれない。