今日は1843年ノルウェー生まれのグリーグの作品で、
1891年に作曲された叙情小品集第5集作品54を聴いた。
今回聴いたCDはアイナル・ステーン=ノックレゲルグによるピアノ演奏。
このうち「羊飼いの少年」、「ノルウェーの農民行進曲」、
「小人の行進」、「夜想曲」、「鐘の音」は、
抒情組曲作品54として管弦楽化されている。
第1曲「羊飼いの少年」は北欧らしく、
メランコリックな感じで重々しく始まる。
第2曲「ノルウェーの農民行進曲」は、
軽快で行進するような旋律のガンガルのダンス曲である
第3曲「小人の行進」は三部形式の曲で、
冒頭の駆け抜けるような速い部分と、
中間部の北欧的な歌うような部分の対比がいい。
第4曲「夜想曲」は、ロマンティックな旋律で、
中間では北欧らしい甘美な旋律がみられる。
第5曲「スケルツォ」は、速く躍動的な旋律と、
ゆったりとした中間部で構成される三部形式の曲。
第6曲「鐘の音」は、鐘の音の描写で始まり、
神秘的な雰囲気を持った曲である。
徐々に鐘の音が大きくなっていき、そのあと静かになるが、
再びその音が大きくなったあと、最後は静かに終わる。
1891年に完成した抒情組曲作品54をネーメ・ヤルヴィ指揮、
エーテボリ交響楽団の演奏でも聴いてみたが、
「羊飼いの少年」は管弦楽化にすることで、
さらに情感が深くなっている感じがする。
「鐘の音」は、ピアノ曲の原曲の方がいいと思う。
この曲の編曲はアントン・ザイドルがしているようだが、
原曲にある良さが一部失われている感じがし、
グリーグ自身も気に入ってはいなかったようだが、
それもよくわかる気がする。
「ノルウェーの農民行進曲」は、もちろん原曲もいいが、
その旋律の一部を木管楽器が奏でることで、
農村らしさが出ていい感じがするのである。
「夜想曲」は、金管楽器も加わることで、
広大な自然の雰囲気も生まれる感じがする。
「小人の行進」は、動き回るトロル(小人)の感じが、
管弦楽化されることでより鮮明になる気がする。
ネーメ・ヤルヴィ指揮によるのがいいのかもしれない。