昨日は横浜から和田町駅まで歩きました。
途中聴いたのはオルフの歌劇「僭主オイディプス」。
1959年に作曲された作品で、初演はミュンヘン。
古代ギリシアの悲劇作家ソフォクレスの「オイディプス王」を
ヘルダーリンが独訳したものをテキストに使っている。
一般的にはこの作品「オイディプス王」と訳しているが、
ドイツ語でOedipus der Tyrannなので、
王というよりは僭主もしくは暴君の方がいいだろう。
「カルミナ・ブラーナ」から「アフロディテの勝利」までの作品は、
「愛」というのが一つのテーマとなっていたが、
「アンティゴネ」「僭主オイディプス」「プロメテウス」までの作品は、
人間の運命、そして神というのが共通のテーマとなっている。
作品は3時間近くもかかる大作だ。
今回は第1幕から第2幕まで聴いた。
第1幕から第2幕は前王ライオスに代わり、
テーバイの王となったオイディプスが、
クレオンから前王を殺害した人物を探すことが、
神託の内容であることを伝えられる。
その犯人探しをすることを誓う。
そして知者テイレシアスにその真実を聞こうとするが、
彼はそれを語ろうとしない。
そのことに腹をたてるオイディプスであるが、
その時にオイディプスを生んだ人物を知っているといい、
ライオスを殺害した人物は、この国にいると伝え、
その後謎めいた予言を残したまま、その場を去る。
自分を生んだ両親を知らないオイディプスは、
このテイレシアスの予言を理解できないでいるが、
運命の扉はここで開かれたのである。