昨日は西谷駅から三枚町まで歩きました。
途中聴いたのはグスタフ・マーラーの作品で、
1903年から1904年にかけて作曲された交響曲第6番イ短調である。
今回聴いたCDは、ジョージ・セル指揮、
クリーヴランド管弦楽団の演奏による。
1967年10月12日に行われたコンサートのライブ録音のものである。
ソニーからも同じ10月頃に行われたコンサートのライブ録音盤があるが、
時間が違うので別な日に行われたものなのであろう。
第1楽章アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロッポは、
重々しく低弦から始まる短い序奏に続き、
行進曲風で暗い感じの第一主題がヴァイオリンにより奏される。
対照的な第二主題は情熱的でロマンティックな旋律である。
この提示部は、スコアで反復するように指示がされているのだが、
この盤ではその反復は行われずにそのまま展開部に入っている。
第一主題から変形による展開が始まり、第二主題も展開される。
冷徹に思えるセル盤であるが、ライブ盤らしく情熱的で、
行き詰るような緊張感があり、聴いていて聴き応えがある。
セルの時代のクリーヴランド管弦楽団というと、
統制のきいたすぐれた弦楽器群のことが話題になりがちだが、
金管楽器の素晴らしさも見逃せないところである。
再現部の前の金管楽器の低音がしっかりきいている。
再現部を経て、最後のコーダで金管楽器中心に盛り上がり、
輝かしい感じの終わり方をするが、このあたりの演奏も満足できる。
第2楽章スケルツォは、低弦とティンパニが刻むリズムの中、
不気味でグロテスクな主題が奏されていく。
トリオはかわいらしい感じの優雅な主題が流れる。
そしてまた再び最初の主題が現れ、トリオの主題と絡み合い、
最後は低弦と木管だけが残り、静かに終わる。
第3楽章アンダンテ・モデラートは三部形式を採り、
ヴァイオリンが優雅な感じの主題を奏する。
一方でイングリッシュ・ホルンが奏でる悲しげな旋律、
ホルンが奏でる牧歌風の旋律などが登場し、
これらの旋律を中心に曲は展開されていく。
第4楽章終曲は、序奏とソナタ形式の主部からなる。
チェレスタとハープによる分散和音に乗って、
ヴァイオリンが序奏の中心となる旋律を奏でていく。
金管楽器が加わり色彩豊かな音楽となり、やがて主部に入る
ヴァイオリンと木管楽器により示される第一主題と、
ホルンによる力強い第二主題が提示され、
これらが展開部で何度か変形されるが、
その中でハンマーを叩く音が何度か現れる。
「英雄は敵から三回攻撃を受け、三回目に木のように倒れてしまう」
このようにマーラーが妻アルマに語ったことは有名である。
曲は再現部を省略し、コーダに入っていく。
悲劇的で重々しくティンパニと管楽器が鳴り響き、
最後は弦のピッチカートで弱々しく終わる。
それは抵抗することをやめた英雄の最後を象徴している。
セル盤はライブ録音なので録音は悪いのだが、
セルの音楽に対する情熱が伝わる気がして、
終わったあと聴いたなあという充実感が残る。
やっぱりラトルよりはセルかなあと思ってしまう。