今回取り上げるのは1876年生まれのブライアンが、
1919年から27年に作曲した交響曲第1番ニ短調「ゴシック」である。
演奏はナオー・シェパードのソプラノ、
シャーリー・ミンティのアルト、
ロナルド・ダウドのテノール、
ロジャー・スタルマンのバス、
BBC合唱団、BBCコラール・ソサエティ、
シティ・オブ・ロンドン・クワイア、
ハンプステッド・コラール・ソサエティ、
エマニュエル・スクール・クワイア、
オーピントン・ジュニア・シンガーズ、
サー・エドリアン・ボールト指揮、
BBC交響楽団によるものである。
とにかく長大な演奏時間を要する大曲である。
第一楽章アレグロ・アッサイは、弦の音にティンパニの叩く音、
そして金管楽器が鳴り響き華やかに始まり、
そのあとに弦楽器が力強い旋律を奏でる。
それが静まったあとは、ハープの音に続き、
ヴァイオリン独奏が甘美な旋律を奏で、木管楽器が絡み、
弦楽器もロマンティックな旋律を奏でていく。
このあたりの音楽はリヒャルト・シュトラウスを思わせる。
ティンパニの音と共に嵐のような荒々しい音楽になり、
そのあとは牧歌的な音楽になり、
盛り上がりの部分と穏やかな部分が繰り返され、
ヴァイオリン独奏の部分になり、それにハープが絡んでいく。
そして、金管楽器によるファンファーレ風の音楽と、
ティンパニの叩く音にその沈黙は消され、
再び力強い音楽が展開されて終わる。
第二楽章レント・エスプレッシーヴォ・エ・ソレンネは、
ホルンの吹奏に続き、弦楽器がゆったりとした旋律を奏でて始まる。
森の中の雰囲気を示すような幻想的な感じが続き、
やがて金管楽器もからんで盛り上がりをみせる。
いったん静まったあと、金管楽器とティンパニで、
劇的な盛り上がりをつくったあと、ホルンが弱く吹奏する。
それは今までの何かを回想するかのような感じであり、
それを繰り返した後、木管楽器が静かに旋律を奏でて終わる。
第三楽章ヴィヴァーチェは、木管楽器の奏でる旋律のあと、
弦楽器が繰り返す音型のリズムに乗り、木管楽器が旋律を奏でていく。
やがて金管楽器も加わるが、いったん穏やかになり、
金管楽器と弦楽器で情熱的な旋律を奏でていく。
そのあとは金管楽器と弦楽器により華やかな感じの音楽が展開され、
弦楽器と金管楽器で美しい音楽が奏でられていく。
ティンパニの音のあと静けさは破られ、嵐のような荒々しい音楽になる。
そして、木管楽器とシロフォン、金管楽器による幻想的な音楽が繰り返され、
ティンパニと金管楽器で勇ましい感じの音楽が奏でられ、
盛り上がったあとは、いったん静まる。
そのあと金管楽器のファンファーレ風の音楽が入り、
木管楽器が優しい感じの旋律を奏でて、次の楽章に続いていく。
第四楽章アレグロ・モデラートからテ・デウムの部分に入る。
合唱による優しい歌声に続き、独唱者も絡んでいく。
突然金管楽器が狩りの音楽のような力強い旋律が鳴り響く。
そして合唱が加わり、壮大な感じの音楽になっていく。
金管楽器が鳴り響いた後、合唱と独唱による部分となり、
やがてそれに管弦楽が加わり、そのあと金管楽器のみの部分が続く。
それに弦楽器、合唱が加わり盛り上がったあと、合唱のみの部分となり、
再び金管楽器・弦楽器が続いて加わり高揚したあと、
いったん穏やかな感じになり、再び金管楽器と打楽器で盛り上がり、
最後は合唱のみの部分となり、穏やかに終わる。
第五楽章アレグロ・モルト・ソレンネ・エ・レリジオーソは、
山のなかでのこだま(エコー)のように、
合唱グループが交互に呼びかけるように歌う。
最初は女声グループの中で、次に男声の中で行われる。
そして、ソプラノ独唱が入り、そのあと合唱が入り、
効果的な響きをみせたあと、再びソプラノ独唱が入り、
今度は金管楽器の各グループの中で音を重ねたりし、
打楽器も加わり、それぞれが別の動きをして絡んでいく。
そして合唱が加わり、盛り上がりをみせていく。
いったんそれが静まり、木管楽器などによる幻想的な感じが現れ、
打楽器と金管楽器により再び荒々しい感じになり、
この幻想的な感じと荒々しい感じは繰り返されていくが、
合唱もこれに加わっていき、徐々に盛り上がりをみせて終わる。
第六楽章モデラート・エ・モルト・ソスティヌートは、
オーボエのソロで始まり、テノール独唱が歌い始める。
そして様々な楽器がそれに絡んで、
いったん金管楽器が加わり盛り上がりをみせる。
そのあとはソロの木管楽器による部分、弦楽器合奏の部分が続き、
再びテノール独唱が入り、再び弦楽合奏となり、
そのあと木管楽器や金管楽器も加わり、合唱も入る。
そしてソプラノ独唱が歌う部分が続き、男声合唱が入り、
女声合唱も加わって、様々な楽器も絡んでいく。
合唱と金管楽器で盛り上がりを見せて、合唱のみの部分となり、
そのあとシロフォンや金管楽器などが加わっていく。
そして男声合唱と金管楽器で盛り上がり、
木管楽器や女声合唱も加わり、少年合唱も加わっていく。
そして四人の独唱者の四重唱があったあと、
小太鼓の音と木管楽器の奏でる旋律が行進曲風に続く。
そして金管楽器とハープと男声合唱の歌が続き、
やがて行進曲風に合唱が歌っていき、
ティンパニが荒々しく音を叩き、金管楽器も加わり、
合唱と共に壮大な感じの音楽を展開していく。
ホルンが鳴り響き、フルートが旋律を奏でたあと、
合唱と金管楽器で力強く音楽を奏でていき、
いったん高揚した後、静まり合唱のみとなり、
続いて小太鼓の音と木管楽器の奏でる行進曲風の旋律が現れ、
弦楽器とともにバス独唱者が歌い出し、
金管楽器のファンファーレ風の音楽が入ったりながら展開し、
合唱のみが歌う部分となり、オルガンと弦楽器が加わる。
それが終わるとティンパニの荒々しい音に、
金管楽器も加わりその荒々しさを増し、鐘の音が鳴り、
再び合唱のみの部分となり、ティンパニの音が鳴り響き、
金管楽器がそれに加わり、また合唱のみの部分となり、
金管楽器が鳴り響いた後、弦楽器とオルガンが鳴り響き、
金管楽器が鳴ったあと、ティンパニの音が鳴り、
弦楽器のみの部分となり、最後は金管楽器と打楽器も加わり、
いったん盛り上がり、木管楽器のソロが悲しそうに鳴り響き、
弦楽器の旋律が繰り返されたあと合唱が入り、最後静かに終わる。