今日は交響曲第1番ハ長調作品21と交響曲第2番ニ長調作品36、
そして、交響曲第7番イ長調作品92から、
交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125まで聴きました。
今回聴いたCDはベルナルド・ハイティンク指揮、
コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏である。
交響曲第9番ニ短調「合唱」作品12のみは、
ルチア・ポップのソプラノ、キャロライン・ワトキンソンのアルト、
ペーター・シュライアーのテノール、ロベルト・ホルのバス、
そしてオランダ放送合唱団が加わっている。
それぞれについて簡単に感想を書いていく。
交響曲第1番ハ長調作品21は、
第一楽章の序奏の部分のテンポがかなり遅い。
主部に入ってからの軽快な感じと対照的である。
第二楽章は軽快なテンポで、録音がいいこともあり、
弦楽器をはじめ各楽器の動きがよくわかる。
第三楽章も軽快できびきびとした演奏である。
第四楽章の序奏もゆったりと始まるが、
主部は生き生きとしてよく、各楽器の音のバランスもよい。
交響曲第2番ニ長調作品36は、
第一楽章の序奏は歌うように軽快に流れていく。
主部も明るく軽快に始まり、生き生きとして弾んでいて、
展開部もなかなかよく、飽きることなく、
一気に最後まで聴くことができる演奏である。
第二楽章は木管楽器の明るい音色の響きで始まるが、
時に影のある部分もあり、平和が長続きしない現状を、
思い起こしもするが、それでも人々は平和を求めている。
この時期はナポレオンが対外的にも和平を結んでいるので、
ヨーロッパ内は平和が保たれていた時期なんだろうなと、
ふと思いながら聴いてしまう。
第三楽章は音楽を聴きながら不安と理想について考えてしまった。
第四楽章は軽快に音楽が流れていく。
なかなか弦楽器のグルーブ感がよく、のってしまった。
交響曲第7番イ長調作品92は、
第一楽章の序奏の部分が力強く、木管楽器の響きもいい。
主部に入ってから主題を奏でるフルートの音もいい。
力強い演奏で展開部の流れるように各楽器に、
フレーズが移っていくところがいいと感じた。
金管楽器が鳴る音もバランスよく感じた。
第二楽章は淡々と進んでいき、深い感情移入はない。
しかし、曲の構造がよくわかる明快な演奏である。
第三楽章、第四楽章も軽快な演奏である。
第四楽章は特に各楽器の旋律のやりとりがスリリングで、
最後テンポアップしていくところがいい。
交響曲第8番ヘ長調作品93は、
第一楽章のテンポも自然で、力みのない演奏である。
第二楽章は軽快なテンポで明るい感じである。
第三楽章、第四楽章も流れるように進むが、
第一楽章の少し乗る気が十分に出ていない感じからすると
あとになればなるほど乗ってきている印象を受ける。
交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125は、
第一楽章が淡々と流れていくように進んでいく。
打楽器や金管楽器の音も抑えられてバランスがいい。
第二楽章は軽快なテンポで、各楽器の統制がとれている。
よく打楽器や金管楽器が目立ったりするが、
むしろ弦楽器の動きに耳が傾く。
第三楽章は自然に流れていく中、
弦楽器が奏でる旋律がやはり美しい。
第四楽章も各楽器と合唱のバランスの良さに感心する。
最後の盛り上がりかたもなかなかいい。
マーラーやブルックナーの録音でなじみのあるハイティンクだが、
ベートーヴェンの交響曲も聴いてなかなかの名演を聴かせている。
今年退職後あっという間の1年であった。
毎日の生活に大きな変化はないが、
1日1日の体験を大切にしようと感じたことは確か。
来年に向けてはもっと自分の研究に力を入れていこう。