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ハワード・ハンソンの交響曲第7番「海の交響曲」を聴く

今回は1896年生まれのハワード・ハンソンが、
1977年に作曲した交響曲第7番「海の交響曲」を取り上げる。
この作品は合唱によって歌われるが、
歌詞はウォルト・ホイットマンの「草の葉」から採っている。
聴いたCDは ジェラード・シュウォーツ指揮、
シアトル交響楽団及び合唱団の演奏による。
第一楽章「見よ、この限りのない海よ」(ラガメンテ)は、
弦楽器が今にも海に出るかのような旋律を奏でて始まり、
金管楽器も加わり盛り上がったところで、合唱が入る。
合唱は碑詩の中の「出航」の部分を歌う。
船が海原へと向かっていくような壮大な音楽である。
映画音楽のような感じでもあり、ハンソンらしい。
終わりの方で冒頭のゆったりとした部分が繰り返され、
合唱が歌い、最後静かに終わる。
第二楽章「語ることのない望み」(アダージョ)は、
淡い感じの音の上でトランペットが旋律を奏でて始まる。
そして、金管楽器が強く鳴り響き、合唱が入る。
合唱が歌うのは「別れのうた」の中の一部である。
合唱とともに音楽は盛り上がったあとは、
穏やかになり、最後合唱だけが残って終わる。
第三楽章「喜べ、船乗りたちよ、喜べ!」
(アレグロモルトモルト・メノ・モッソ)は、
管弦楽による嵐の描写を思わせる激しい音楽で始まる。
そして合唱が入り、「別れのうた」の一部を歌う。
音楽はティンパニが弱く鳴り響く中、
徐々に合唱とともに感動的な感じになり、
盛り上がりをみせていき、鐘の音が鳴り響いて終わる。
何となく、ティンパニの音で終わっていくところが、
ショスタコーヴィッチの交響曲第5番の終楽章に似ている。
それにしてもこの交響曲第7番は81歳の時の作品である。
尽きない彼の創作意欲には頭が下がる感じである。
作曲家はすごいもんだなとつくづく思うのである。