昨日は二俣川の公文書館から西谷駅まで歩きました。
途中聴いたのは1903年生まれのハチャトゥリアンの交響曲。
グルジアのトビリシに生まれたアルメニア人の彼は、
1929年26歳でモスクワ音楽院に入学し、ミャスコフスキーなどに師事した。
交響曲第2番イ短調「鐘」は1943年に作曲された。
1943年の初演後に改作され、改作版は1944年にガウク指揮のもと、
ソビエト国立交響楽団により初演されたようである。
第1楽章アンダンテ・マエストーソは、ソナタ形式で書かれ、
冒頭の悲劇的な暗さを持った序奏が鐘の音とともに奏される。
そのあと静まってから奏される第一主題は「戦いの主題」といわれ、
いかにもアルメニア風の雰囲気を持った旋律である。
そして小太鼓など加わり、激しい行進のリズムが登場するが、
そのあと静まり第二主題がファゴットのソロで登場する。
そして展開部に入り、闘争的な音楽になっていくところは、
いかにも社会主義リアリズムの音楽で、
ショスタコーヴッチの交響曲第7番とも共通したところがある。
スターリングラードの戦いで、侵攻するドイツ軍に対し、
反撃に転じた時期に作曲された作品であるから無理もないだろう。
それにしても第一主題は甘美な旋律で印象的で、
平和を祈る民衆の声を代表しているようでもある。
音楽はそれらの主題をもとにやがて緊張感を増し、
クライマックスを迎えたあとは、静かに消え入るように終わる。
第2楽章アレグロ・リソルートは、スケルツォ楽章で、
ピアノ・ソロも加わり、民族舞踊的な軽快な感じの曲である。
リズムや中央アジア的な雰囲気の旋律はハチャトゥリアンらしい。
最後の盛り上がりのところで打楽器が活躍するところなどいい。
第3楽章アンダンテ・ソステヌートは、葬送行進曲風の音楽で、
深い悲しみをもち、戦死した人々への哀歌ともいえる。
東洋的な雰囲気を持った主題は、アルメニア民謡で、
「義勇兵の同志」という曲から採られているらしい。
この主題が様々に変化される中で、聖歌「怒りの日」が登場する。
「怒りの日」は、ベルリオーズが幻想交響曲の終楽章で使用している。
その主題を思い出せば、わかると思うが、6分前後から静かに奏され、
勢いを増し、やがて主題とからまっていくが、ここでは、
円熟したハチャトゥリアンの作曲技法を見ることができる。
コーダのところで主題の断片が再現され、リズム形だけが残り、
最後静かに終わるところもなかなかである。
第4楽章アンダンテ・モッソ~アレグロ・ソステヌート、マエストーソは、
序奏と三部形式からなるフィナーレ楽章である。
最初の管楽器が奏する部分は、ナチス・ドイツ軍と対峙する
ソ連軍の勝利へと向かう勇敢な姿を表現しているようでもある。
中間部に入って弦楽器を中心とした無窮動の音楽になる。
そして金管楽器が高らかに第一楽章の第一主題を奏し、
一時牧歌的な音楽が奏されたあと、鐘の音が入り、
静かに最初の主題が奏されてから再び鐘の音が入り、
堂々とした輝かしいフィナーレを迎え、全曲を終える。