今回は1887年生まれのフィンランドのマデトヤ(マデトーヤ)が、
1916年に作曲した交響曲第1番ヘ長調作品29である。
あらためてマデトヤの交響曲をじっくりと聴きなおそうと思った。
今回聴いたCDの演奏は以前と同じレイフ・セゲルスタム指揮、
フィンランド放送交響楽団のものである。
第一楽章アレグロは、ホルンと弦楽器の旋律で始まり、
せわしないような感じであるが、フルートなどに導かれ、
やがて優雅な感じで舞踏的な旋律が奏でられる。
そのあとチェロ独奏と弦楽器によるゆったりとした旋律。
それは情緒あふれるが、そのあとも軽快な旋律が奏でられ、
弦楽器の躍動的な動きに金管楽器も加わり盛り上がるが、
それが終わると弦楽器による抒情的な旋律が現れる。
最後の方で冒頭のホルンの音型が繰り返されて終わる。
第二楽章レント・ミステリオーソは、フルートが繰り返す音型に、
チェロが旋律を重ねてゆったりと始まる。
やがてフルートが再び2音の音型を繰り返し、
弦楽器全体がそれに旋律を重ねていく。
徐々に金管楽器も加わり情熱的になり、盛り上がる。
それが終わると穏やかで牧歌的な音楽が続き、
木管楽器中心に活躍していき、民謡風の旋律を奏でていく。
このあたりはシベリウスの影響を感じるところである。
そのあとは2音による音型が繰り返されていき、穏やかに終わる。
第三楽章アレグロ・ヴィヴァーチェは、
弦楽器の音型の上で、第一楽章の冒頭にあった音型が繰り返されていく。
そして弦楽器中心に力強い主題が奏でられる。
そのあとは木管楽器中心に感傷的な旋律が奏でられ、
ホルンの音を合図に自然を感じさせるような
軽快な旋律が奏でられ、ここはシベリウスに似ている。
徐々に盛り上がって、金管楽器も鳴り響き、
やがて金管楽器中心に前進していくような
力強い旋律が奏でられ、それは弦楽器に引き継がれ、
金管楽器と打楽器も加わり、最後は力強く終わる。