今回は、1901年イギリス生まれのラッブラが、
1966年から68年にかけて作曲した交響曲第8番作品132を聴きました。
この交響曲の副題には「ピエール・テイヤール・ド・シャルダン讃」とあるが、
ピエール・テイヤール・ド・シャルダンはフランス人で、
イエズス会士のカトリック司祭で、思想家として活躍しただけでなく、
北京原人の発見と研究でも有名で、地質学者でもある。
この交響曲はチャールズ・グローヴスの指揮、
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、
1971年1月5日に初演されたようである。
今回聴いたCDはリチャード・ヒコックス指揮、
BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団の演奏である。
第一楽章モデラートは、弦楽器による神秘的な音楽で始まる。
金管楽器と木管楽器も絡んでいき、
打楽器も加わり荒々しくなったあと、
弦楽器や金管楽器により力強い旋律が奏でられる。
ティンパニや金管楽器により盛り上がりをみせたあと、
いったん穏やかな感じになり、弦楽器と木管楽器中心に曲は進行し、
荒々しい部分と穏やかな部分は交互に現れ、
最後は金管楽器で盛り上がったあと、穏やかになって終わる。
第二楽章アレグレット・コン・ブリオは、
弦楽器と木管楽器による軽快な旋律で始まる。
やがて、金管楽器や打楽器も加わり華やかになり、
舞踏風の旋律が繰り返されていく。
最後は打楽器と金管楽器で盛り上がったところで終わる。
第三楽章ポコ・レントは、ホルンの吹奏で始まり、
弦楽器がゆったりとした旋律を奏でていく。
そしてハープと木管楽器による神秘的な音楽が奏でられる。
後半はティンパニの叩く音に合わせ、弦楽器もリズムを刻み、
そのあとは弦楽器中心に展開し、やがて金管楽器も加わり、
盛り上がったあと、いったん静かになり、
ハープと独奏チェロやフルートによる旋律が奏でられ、
金管楽器とチェレスタが鳴り、静かに最後は終わる。